税理士の経営・財産・相続トピックスVol.077「棚にあるものは何か」
もうすぐ3月になります。
諸外国の多くは、12月に法人決算が行われますが、日本の企業では3月決算が最も多いのです。
国や地方公共団体の会計年度や、教育の期間にあたる3月卒業、4月新卒採用にあわせた影響なのでしょうか。
最近は諸外国の会計期間に合わせて12月へ変更する動きも見られ、昔から当たり前のこともだんだんと変化してきます。
さて、決算月末になりますと必ず「棚卸し」があります。
「棚卸資産」と書いたり「たな卸資産」と書いたり、どちらも正しいのですが、「ひらがな」であった理由は、昔は「たな」という漢字が常用漢字としてはなかったようです(本当かな?)。
ここでは現代的に「棚卸し」とします。
「棚卸し」では、実際に「何が何処に何個あるか?」確認します。
もちろん会計でいうところの棚卸しは理論も手法もあります。
現物を見て、数えれば、何が何処に何個あるかわかります。では、何が、何処に、何個あるべきかを把握できているか?
これは重要です。
実際に存在する物があるべき在庫とは限りません。
あるべき在庫は10個のはず、でも数えたら8個だった、2個は何処へ行ったのか。
あるべき在庫は10個、でも数えたらなんと12個あった(どうしてだろう)
あるべき在庫を把握することは帳簿棚卸し(帳簿上の在庫)、実際に数えることは実地棚卸し。
あるべき在庫が把握できていなければ実地棚卸しによる在庫が正しいかどうかわかりません。
しかし、帳簿棚卸しが出来ていない事業所は多いのです。
棚には何があるべきなのでしょうか、そして実際に見てみると棚はどうなっているのでしょうか。
心配な経営者の方は、「帳簿棚卸し」と「実地棚卸し」の両方を実行して下さい。
2020年2月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
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